2020年度活動報告
「松浦武四郎とショコツアイノ」ホール調査事業
<行程表>
日時:2020年6月20日(土)9時~14時
集合場所:滝上道の駅駐車場
調査場所:サクルー川上流
① 意見交換会:滝上ホテル渓谷
② 参加者:
専門家:若松幹夫(山の手博物館 理事・地質学者・技術士)
才田雅彦(文化財サポート代表)
氏江敏文(考古学者・松浦武四郎研究家)
会 員:竹内正美(代表)
高橋浩徳(資料作成担当)
山中雅一(事務局長)
オブザーバー:佐藤和利(考古学・紋別博物館元館長)
<参加者の意見>
① ホールの壁が他の場所より滑らかであった、人工的に削られた可能性がある。
② 川面より8メートルほど上にある、これは獣から逃れる為なのか、また別な意味もあるのかもしれない。
③ この辺にはアイヌの集落が無いので何等かの目的であって使用されたのであれば旅人が利用したのではないか。
④ 地位的に武四郎の記述にある様な事項一致している。
⑤ 洞窟の床面に溜まった土砂を取り除く事が出来れば新たな発見があるかもしれない。




渚滑川調査ツアー 1日目
日時:2020年7月4日(土)8時00分~16時00分
集合場所:よつ葉大橋横駐車場
<参加者>
会員:竹内正美、 髙橋浩徳、 牧野正則、 扇みなみ、 山中雅一
取材者:五十嵐菜希(NHK記者)
専門家:佐藤和利(考古学者、紋別市立博物館元館長)
撮影・資料収集記録:井上愛美 、渡辺誠舟、 絹張蝦夷丸
<車両>
・賃貸車:2台
高橋浩徳 車:5名
扇みなみ 車:4名
・その他車:1名(NHK五十嵐)
<持ち物・注意事項>
・クーラーボックス:(髙橋浩徳車に設置)
・歩きやすい靴
・川の中を歩くことができる靴
・胴付き長靴(持っている方は持参):牧野氏から3着借用
・ほか、必要と思われるもの
※探検中の荷物は少ない方が動きやすくてよい、限りがありますが近くに車も待機しているので胴付きや替えの靴など、すぐに必要のない荷物は車で運ぶ
※気温が高く、体力を消耗することが予想されます。天候に応じた服装、水分補給など対策を行う
<行程表>
8:30
・車で【ウエンノツ】へ移動、調査開始 -----8.5~9km
11:30~12:00
・【シヨウマナイ~ホンオサツナイ】調査
12:00~12:30
・昼食、休憩
12:30~13:00-----3.5~5km 移動
・調査再開
15:00~16:00
【サトサツナイ】~【エイシリ】
(1日目終了)
<1日目の調査場所> 午前

・ウエンノツ ・キナチヤシナイ ・ウツナイ ・シヨウマナイ
・セカツベウシ(12線川向) ・チトカンヒラ(崖の名残を調査) ・シユマウニ
午後

・ホンヲサツナイ ・ホロヲサツナイ ・ライベツ ・サトサツナイ ・コウキ川との合流「エイシリ百々の木立の山」


キナチヤシナイを望む堤防にて
宇津々橋の上でNHKの取材を受ける


川べりに降りてチトカンヒラを探す
チトカンヒラを確定する


ホロヲサツナイ付近から望むエイシリは三角形で高い
国道側から望むエイシリは←左の写真の姿は全く感じない
調査の概要
・ウエンノツ
ここは以前の調査で確定していたので、資料作成用に写真を撮る。
ここから歩いて次へ向かう予定でいたが、堤防が車両通行できるということなので車で移動することにした。
車がこすれるくらい虎杖(イタドリ)が伸びていてほとんど周囲が見えない中を進む。
・キナチヤシナイ
8線川向だが、沢が流れているのが遠目でもはっきりわかる地形。
・ウツナイ
今は宇津々川と呼ばれている。宇津々橋の上から確認した。
現在の川口は橋の上流部だが状況と武四郎の記述から当時は橋の下部に流れ込んでいたものと推定した。
・シヨウマナイ
宇津々橋の上部正面付近にそれらしき場所がある。前後の記述から場所を特定した。
・セカツベウシ
12線川向に小川を確認した。
・チトカンヒラ
「大きな崖があり一筋の滝が流れている」という記述に基づいて、15線から16線付近の川辺に降りて調査したが、
今は山一面に木が生えていて崖は見当たらなかった。しかし、よく見てみると木の生え際に段差が見られる箇所があり、
その部分が三角形になっているのを確認した。
秋に木の葉が落ちてから再度確認したが、確実に違いが分かり、さらにその上部には当時水が流れていたであろう窪みが
確認できた。
この位置を確認できたことはウエンノツ同様前後の関係を見るうえで大変重要なことであった。
・シユマウニ
今回の調査では確認することができなかった。
その後秋の調査で19線川向付近に川べりが石崖になっている場所を確認した。
付近は平地で当時川が今より国道側を流れていたとしたら集落の奥に岩崖がある地点に相当するものと判断した。
・ホンヲサツナイ
・ホロヲサツナイ
・ライベツ
・サトサツナイ
・エイシリ
20線付近から河原に降りると中洲のある幅の広い川がある。
付近は結構歩くことができるので、胴付き(ウェーダー)を着用していった。
まず最初にホロヲサツナイを確認。続いて上流部にサトサツナイを確認した。
武四郎の記録ではホロヲサツナイの上流にチライヲツ(左手に小川があり少し向こうに小高い丘がある)
ライベツ(左手に昔の大きな川があり中洲になっている)とあり、その次にサトサツナイ、エイシリが登場する。
エイシリとの距離を考えてもサトサツナイは間違いなくこの位置であろうことと、
チライオツの左奥に小高い丘があるという記述から、
当時はホロヲサツナイからサトサツナイまでの間の川が現在の国道側に大きく蛇行していたと考えるのが適当であるとの結論に至った。
ホロヲサツナイから下流に数百メートル下ると、武四郎の記述通り川の周囲が大きくひらけている場所があった。
そこがホンヲサツナイであると確認した。
記述の距離との整合性を考えると当時の川は現在よりずっと国道側を流れていたと考えられる。
これは明治38(1905)年に北海道庁が発行した『北見邦植民地区割図』の川の位置を見ても容易に想像がつく。
この地図では現在山の麓に川が流れている所にも地区割がなされている。
堤防ができるまでの渚滑川は暴れ川であったと言われている。急流であることを考えても間違いないだろう。
この付近の河原から上流を見ると三角形にとがった高い山が見える。
しかし、この山は国道側(横)から見ると平べったく低く見える。
武四郎はエイシリの意味について「遠くから見ると高く見えるが近くから見ると低い」と記述している。
アイヌ民族からの聞き取りの正確さが垣間見える。
渚滑川調査ツアー 2日目
日時:2020年7月5日(日)9時00分~16時00分
集合場所:旧上渚滑中学校駐車場
<参加者>
会員:竹内正美、 髙橋浩徳、 牧野正則、 扇みなみ、 山中雅一
専門家:佐藤和利(考古学者、紋別市立博物館元館長)
撮影・資料収集記録:井上愛美 、渡辺誠舟、 絹張蝦夷丸
<車両>
・賃貸車:2台
高橋浩徳 車:6名
牧野正則 車:2名
・その他車:1名(扇みなみ:飲物・食事用意)
<行程表>
9:00 調査開始 -----7~8.5km
11:30~12:30
【タツウシ】
12:30~13:30
昼食、休憩
14:00
調査再開-----9~10km
【オシラン子フ
15:30
アイヌ伝説にある神の船
(全行程終了)
<2日目の調査場所> 午前

・シイリヤウニ ・ヒラボ ・ヲワフンベナイ ・シュマムイ ・イチヤヌニ
・シベウツブト ・チヤシコツ ・シラルンナイ ・クアマナイ ・イキロロマフ
午後

・チャシコツ ・タツシ ・ヲシラン子フ ・神の船


シイリヤウニの先の小高い丘
河原よりヒラポを望む


このシユマムイは岩で小さな湾を形成している。
先にヲワフンベナイがある。
清瀬川川口より渚滑川上流にしばし進む。


新記念橋より川をのぞく。この付近の川底は石原になっている。
シラルンナイは今でも稜線の岩肌がはっきりと見える。また、遠目にもはっきり確認できる。


クアマナイはとてもわかりやすい。
今は草地となっているが以前は小川が流れていたであろう。
イキロロマフ。
写真ではわからないが、両側がかなり急斜面になっている。


タツシ。
写真ではわかりづらいが、左端が川口。
周囲より一段降りたところにある。
神の舟(カムイポチ)。


ヲシラン子フ。左が川口。
正面に大きな岩がある。
上流に鎮橋がうっすらと見える。
本流からオシラネップ川を望む。
調査の概要
・シイリヤウニ
下から上がってくると上渚滑町上東のカーブ手前。左手に丘がある。ここは当時、川が大きく蛇行しいていたと考えられる。
・ヒラポ
国道を走っていると牧場の裏手、川の対岸に高い山が見える。
ここも当時はがけ崩れがあって滝が一筋流れていたようだが、現在は木々が生い茂っている。
・ヲワフンベナイ
上渚滑に入る直前の清瀬川を堤防沿いに下ると渚滑川に合流する。この付近は川幅や河原が広い。
しばらく上流に向かってみるが、まだまだヲワフンベナイには辿り着かなかった。
現在の和訓辺川の川口よりずっと下手に当時の川口があったと推定されるが、現在は川の中を歩かないとその地点にたどり着けないので今回は断念した。
次回以降カヌーで下る際に確認したい。
なお、この付近から記念橋付近までは熊の目撃情報が多いので十分な注意が必要である。
・シユマムイ
岩崖のところが少し湾のようになっているとの記述をもとに、また前後の距離をもとにおおよその場所を木材工場の裏と想定し、川に入る。
街側にはそれらしいものがないので川の中を横断した。
そこには明らかに小さな湾のような場所があった。川底が岩盤なので、大きさなども当時と大差ないものと考えられる。
・イチヤヌニ
サケが産卵し、集落があるという事は、川底は石原になっている。本流では新記念橋直下がほぼそれに該当する。
ここに小川が流れていたと想定できるのではないか。
・シベウツブト
左手にサケのいる小川があるという記述だが、残念ながら今回の調査ではそれらしいものを見つけることはできなかった。
しかし、後日の調査で上渚滑町の市街地から整備工場の横を通って渚滑川に向かう窪地を発見。
位置的にもここがそうであると推定した。
・チャシコツ
新記念橋の麓であるという文献もありいろいろ探ってみたが、午前中の調査では場所を確認することができなかった。
しかし、午後一番の調査で、佐藤元館長が以前この付近でチャシコツを見つけたという場所を確認したところ、
前後の距離感、上下流を見渡せる位置などから、この場所に間違いないと確信した。
この調査以前に探して遺構を確認しているとは、やはり専門家は偉大だと感じた。
・シラルンナイ
現在、岩崖の上部に小さな祠が建っている。当時は下方まで岩肌が続いていたと推測される。
渚滑川を下る、あるいは現在の国道を滝上から紋別に向かうとここは大きな目印となる。当時も同じことだったであろう。
・クアマナイ
この沢は前後の関係から、また変わらぬ山の様子からすぐに確認できた。
・イキロロマフ
渚滑川が一連の山々から離れる直前にある。ここで川はカーブし、滝上方面へ。武四郎の記述の最後に出てくる山である。
・タツシ
武四郎はここの川口で2泊目の夜を迎えるが、オシラン子フを往復する間にここに残った二人のアイヌが流木を集めて蕗の葉で屋根を葺いた小屋を建てていた。
・ヲシラン子フ
オシラネップ川川口。武四郎の渚滑川踏査最深到達地点。川口に大きな岩があるためこの名がついたと記述されているが、今でもそれは変わっていない。
・神の舟(カムイポチ)
紋別アイヌの神話の中に、「学問の神様がここまで舟で上って来たが、この先は舟で上れないのでここに舟を置いて行った」との記述がある。
実際に立牛川の川口よりやや上流に位置する地点の川の中に、大きな上から見るとほぼ舟形の岩がある。
武四郎を案内したアイヌもこの神話同様に、「これより先は流れが急で舟では上れない」と言って上陸したので同じ状況である。
砂金採り調査
日時:2020年8月1日(土)8時00分~12時00分
集合場所:滝上町「道の駅」 駐車場集合
調査場所:オシナネップ川流域 ペペロナイ川
<参加者>
会員:竹内正美、 牧野正則、丸山純恵、 山中雅一
オブザーバー:小番夫婦
専門家:佐藤和利(考古学者、紋別市立博物館元館長)
計 7名
<車両>
・賃貸車:3台
竹内正美 車(軽トラック):竹内、丸山、(草刈、採取道具等の用具運搬)
牧野正則 車(軽ジェミニ):牧野、山中、(救出車)
佐藤和利 車(軽車):佐藤、小番夫婦
<目的・結果>
滝上町へ和人が本格入植する前から、古い文献に砂金採りが行われた事が記載されている。入植後もしばらくの間は砂金行われたと言われている。実際に入植者が山から下りてくる人たちに会って話をしている。
現在は、確実な場所の特定さていない事から砂金が採取された際は、新たな観光資源となる可能性があるため、文献と地質的な事から専門家の指導を受けながら調査を行ったが、残念ながら砂金の採取までには至らなかった




しょこつがわフィールドワーク
-しょこつがわを遡上しながら紅葉を見る会-
日時:2020年10月11日(日)10時00分~11時45分
集合場所:滝上町終末処理場 駐車場
コース:鎮橋から渚滑川に入り上流へ500メートルほど遡上し折り返す
<参加者>
・参加者:6名
・会員:4名
<目的>
渚滑川の魅力を発見し新たな観光メニューの創造をするための調査及び体験を行う。
<参加者の感想>
・楽しかった 。
・見ごろの紅葉まではまだ一週間ほど早かったが、これはこれで良かった 。
・マイウエザー購入しまた参加したい 。
・思った以上に時間が経つのが早かった 。
・紅葉だけではなく、鳥のさえずりや川のせせらぎ、花など各種の植物も良かった 。
・街場の直ぐ傍なのに、まったく別世界であった 。
・国道から直ぐ川に入るので時間的にも楽である 。
・白幽林道の紅葉も良かったが、今回の下から見る紅葉も良かった。





しょこつがわフィールドワーク(2回目)
-アイヌがタケシローに語ったまぼろしの洞窟発見-
日時:2020年10月25日(日)10時00分~14時00分
集合場所:滝上町 ホテル渓谷
スケジュール
10:00 ホテル集合 洞窟へ出発
12:00 ホテルにもどり、昼食
12:40 勉強会 講師 佐藤和利(紋別市博物館元館長)
14:00 解散
<参加者>
・参加者:25名
・会員:3名
・専門家:1名
<目的>
・渚滑川の魅力を発見し新たな観光メニューの創造をするための調査及び体験を行う
・ショコツアイヌが松浦武四郎に話をした事が事実であることの確認
・後世の松浦武四郎の研究に対する遺産
・地域の人的交流の歴史の実証
<参加者の感想>
・楽しかった 。
・滝上にこの様な場所があると思わなかった。
・洞窟が思ったより小さかった。
・主催者の努力に感謝したい。
・この様な取り組みがあるのは素晴らしい、また参加したい。
・地域の知らない事を知る事ができ良かった。
・洞窟まで行きたかった。
・ただ見学するだけでなく、勉強出来たのが良かった。
・また、この様な取り組みがある時は声を掛けてもらいたい。






「ちびっこマルシェ」の開催
<日時・場所>
日時:2021年3月13日(土) 14日(日)11時~15時
場所:旧オホーツク屋
(紋別市幸町4丁目2-6)
<出店者>
6社
<出品商品・コーナー>
① 木っ端フレンド
② 「武四郎とショコツアイノ」絵本
③ フライドポテト
④ いもピザ
⑤ カボチャ団子
⑥ クレープ
⑦ コーヒー
⑧ 大豆茶
⑨ 昭和なカレー
⑩ 駄菓子コーナー
⑪ キッズマルシェコーナー
⑫ 「ガリンコ号」チョロキュウゲーム
⑬ 小上がりコーナー
⑭ 野菜販売コーナー
<来店者>
延べ人数約100名の来店者





